65歳以上の老年人口が総人口に占める割合を「高齢化率」といいます。
高齢化率7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれるそうです。
2022年の日本の高齢化率は28.9%。あれ?「高齢化社会」という言葉ばかりが聞こえていましたが、なんと、もうすでに「超高齢社会」になっているのではありませんか!(ちなみに、21%を超えたのは、2007年だそうです。)何パーセントというと難しく感じるかと思いますが、現在、日本人のおよそ3人に1人が65歳以上ということですね。日本の高齢化率は世界一位です。
通勤電車、ショッピングや旅行、どこを見ても行動的な年配者が多く目立つような気がします。そのほかにも、お出かけはしないけれど、おうちで趣味を楽しんでいる年配者も多くいらっしゃるでしょう。
仕事や趣味で充実した高齢者、「老人なんて言われたくない!」と思っている方がたくさんいるのではと思い、どんな呼び名があるのか調べてみました。
目次
長寿の呼び名
まずは、おめでたい長寿の呼び名ね!私は「還暦」よ~
俺は「卒寿」だ!
還暦(かんれき)…60歳 生まれた年の干支に還ることから。
古希(こき)………70歳 中国の杜甫の詩の一節「人生七十古来稀なり」に由来。
喜寿(きじゅ)……77歳 「喜」の字の草書体が「七」を3つ重ねた形であることから。
傘寿(さんじゅ)…80歳 「傘」の字の俗字が「八」と「十」を重ねた形であることから。
米寿(べいじゅ)…88歳 「米」の字をくずすと「八十八」と読めることから。
卒寿(そつじゅ)…90歳 「卒」の字の俗字が「卆」であることから。
白寿(はくじゅ)…99歳 百から一を引くと「白」になることから。
紀寿(きじゅ)または百寿(ひゃくじゅ)…100歳 「紀」は100年が一世紀であることから。
ちょっと専門的な呼び名
国連のWHO(世界保健機関)の定義では、
- 65歳以上を「高齢者」
- 65歳~74歳を「前期高齢者」
- 75歳以上を「後期高齢者」
と呼んでいるそうです。
「後期高齢者」という呼び名は、医療制度でよく知られていますね。
また、日本老年医学会では、
- 65歳~74歳を「准高齢者」(じゅんこうれいしゃ)
- 75歳~89歳を「高齢者」
- 90歳以上を「超高齢者」(ちょうこうれいしゃ)
と呼んでいるそうです。
よく聞く呼び名
高齢者、年配、老人、お年寄り、ご老体、じいさん・ばあさん、じいちゃん・ばあちゃん、じじばば、じいじ・ばあば、シルバー、シニア……。いろいろありますね。
最近では「シニア」という呼び名が比較的安定しているでしょうか。私には、良い印象をうける呼び名と感じます。
「お年寄り」や「ご老体」は、敬語の「お」や「ご」をつけていなかったら、ちょっと残念な印象かな。
「シルバー」は、1973年9月15日の敬老の日に、当時の国鉄(今のJRですね)が電車内に優先席を設け、その座席の色がシルバー(銀色のような灰色)だったことから、高齢者=シルバーと呼ばれるようになったそうです。ちなみに、この「シルバーシート」は、なぜこの色だったのかというと、通常の座席と違う色にしたかったところ「余っていた生地がシルバーだけだった」という事情だそうです。(現在では、「優先席」という呼び方が一般的。)
最近のちょっと変わった呼び名 その1
さぁ、これからちょっとカタカナが多くなってきますよ。
若い世代で使われている「アラサー」、「アラフォー」、「アラフィフ」という言葉は聞いたことがありますか?
- アラサーとは、20代後半から30代前半までの30歳前後の人
- アラフォーとは、30代後半から40代前半までの40歳前後の人
- アラフィフとは、40代前半から50代前半までの50歳前後の人
「およそ、その周辺」という意味の英語「アラウンド(around)」と、30歳の「サーティ(thirty)」を組み合わせた和製英語が、略して「アラサー」という俗語(日常の話し言葉)となりました。そこから、40歳の「アラウンド フォーティ(forty)」=「アラフォー」と、50歳の「アラウンド フィフティ(fifty)」=「アラフィフ」へと派生していったそうです。
では、本題に戻りましょう。それ以降の高齢者世代は何というのか?
- 60歳前後の人は、「アラカン」(還暦)、「アラシク」(シックスティ)
- 70歳前後の人は、「アラコキ」(古希)、「アラセブ」(セブンティ)
- 80歳前後の人は、「アラサン」(傘寿)、「アラエイ」(エイティ)
- 90歳前後の人は、「アラソツ」(卒寿)、「アラナイ」(ナインティ)
なんだがこじつけのような呼び名みたいだけど、ちょっと使ってみると、若返るような気がするわよねぇ。アラカンでーす。
最近のちょっと変わった呼び名 その2
日本アクティブシニア協会という一般社団法人が、新しい呼び名を提唱したそうなので、それもご紹介します。
- 「ブロンズエイジ」……50歳~65歳(ブロンズは銅)※エイジは年齢という意味
- 「ゴールドエイジ」……65歳~75歳(ゴールドは金)
- 「プラチナエイジ」……75歳以上(プラチナは白金)
まるでオリンピックメダルのような特別感を感じさせる呼び名ですが、本来はあるべき銀の「シルバー」は、今までの高齢者のイメージがあるので、あえて回避したようです。
次に、気になる呼び名の一つに「グランド・ジェネレーション」があります。「グランド」は「立派な・最高の」、「ジェネレーション」は「世代」という意味です。
これは、放送作家で脚本家の小山薫堂(こやま くんどう)氏(1964年生まれ。熊本のキャラクターくまもんの生みの親でもある。)が提唱している「シニア世代」の新しい呼び名です。略して「グラジェネ」「グラン世代」「G.G.」と呼ばれたりします。「人生最上の世代。若々しく年を重ね、豊かな知識と経験を育み、人生をさまざまなスタイルで楽しんでいる年長者」ということです。「GG感謝デー」など、大手スーパーでも取り入れている呼び名のようです。
グラジェネとかグラン世代なんて、なんだかおしゃれな響きでいいわ~
さらに「アクティブシニア」「スマートシニア」という呼び名もあります。(もうカタカナ攻めですね。)
アクティブ=積極的。年齢に関係なく様々なことに意欲的で積極的に活動するシニアのことを「アクティブシニア」と呼びます。どんなことでも前向きに取り組んでいれば、「アクティブシニア」ですよね。
スマート=賢いこと。インターネットなどを活用して情報収集し、積極的な消費行動をとる先進的なシニアのことを「スマートシニア」と呼ぶそうです。「スマートシニア空割」というサービスを取り入れている航空会社もあるようです。
何と呼ばれたいか
ある団体が、「シニア」「シルバー」「高齢者」「老人」「年寄り」「じいさんばあさん」の中でどれがよいかのアンケート調査を行い、意外にも一般的な「シニア」は、高齢者自身にはしっくりときておらず、「老人」「年寄り」「じいさんばあさん」は良い印象を感じず、結局、「『高齢者』以外に適切な呼称が見つかっていない状況」との結果だったそうです。感じ方は人それぞれ、明確な答えは出ないということでしょうか。
俺は何と呼ばれてもかまわないな。
いろいろな呼び名を連ねてきましたが、皆さんは何と呼ばれたいですか?
「一般的な呼び名」と「個人的な呼び名」とは別物だとは思いますが、個人的であれば、お孫さんがいる方は、お孫さんから呼ばれている呼び名が一番よいと思っておられるのではないでしょうか。じいちゃん・ばあちゃん、じいじ・ばあば などなど……。(中には名前やあだ名で呼んでもらっている場合もありますね。)
私は、ダントツ(断然トップの略)、「アクティブシニア」と呼ばれたい!